【感想】竜とそばかすの姫、良かった点悪かった点


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竜とそばかすの姫を見て参りましたので、感想を手短に書きます。

メモとして書くので、文体等整ってません。少しずつ加筆していくと思います。

 

 

よかったところ①

現実世界の美麗さ

 

サマーウォーズのネットの雰囲気と違って、誹謗中傷のようなネガ部分が多く描かれている。
それとの対比のためなのか、現実に存在する川や入道雲の描写は超美麗だった。
ネットのレビューに「景色の美麗さは新海誠に超えられた。仮想世界を描くのが細田の武器(意訳)」とあったが、仮想世界は個人的に微妙だった。後述の悪いところ①参照
いい意味でも悪い意味でも変っていく人間関係や周りに流されてコロコロかわるネット上の世論を表現する当作で、変わらない自然の景色を美しく描くというのは、演出としてアリだと思う。

 

 

 

悪かったところ

①仮想世界『U』の設定

 

まず『U』は何ができるのか、なんのための空間なのか、どういう仕組みで仮想空間にダイブしているのか説明不足だった。闘技場のようなモノの存在はあるようだが、一度も描写されていない。主人公は歌を歌っているけど、他の人はなにをしてるのだろう。世界観の作り方が甘いと言わざるをえない。みんなの隠れた才能や深層心理を引き出すらしいのに、その設定を活かしきれていない。『U』で【本当】の姿、『現実』で【表面上】の姿を各キャラ提示したりすれば、キャラの深堀りや考察につながるのではないかと思う。それはそうと、仮想世界が【本当】で現実が【虚構】って皮肉だ。

 

よかったところ②

音楽


僕の好みの音楽じゃなかったけど、完成度が高いのは確か。音楽の力が重要なファクターになってる今作で音楽の良し悪しは直接的に作品の完成度へつながる。音楽の良さは文字で書いてもうまく伝わらないし、個人の好みが色濃く出るので、実際に聴いてほしい。主人公の声もよかった。あれは声優が歌ってるのか、歌手が声優してるのか、どっちが本業なのかわからないくらいに歌はよかった。

 

悪かったところ②

テーマの伝わりずらさ


けっきょく何が伝えたい作品なんだろう。ゴチャつきすぎてわからない。
ネットいじめにリードされるような描写やネットに蔓延る悪(誹謗中傷や行き過ぎた正義マン)がでてきたが、この話はネットだからこそ世界が広がった女子高生が主人公だし、竜もネットに逃げ場を作った被虐待児だ。「ネットより現実の絆」みたいなのはうっすら伝わってきたが、ネットに救われた人間がメインの今作だと主張が二つの主張(ネットはいい/悪い)を反復横跳びしている印象だった。最後らへんでは『ルール』によって自治体が虐待されてる子どもを保護できなかったり、『ルール』と主張して虐待する親が出てきたところからなにか読み取れそうだが、なにも読み取れなかった。

 

悪かったところ③

善と悪の境界線


行き過ぎた正義マンを悪にしていたが、行き過ぎた正義マンを悪役にしている時点でこの映画も同じ穴のムジナだ。そもそも竜は必要以上に相手を痛めつける乱暴さでかなりヘイトを向けられている。(ちなみにこの世界で死ぬと氷漬けになる。『凍結』ってコト……?)竜、ふつうにヤバい乱暴者である。なぜ竜に主人公が魅かれたのかも全く説明されない。最初は幼馴染が竜だったから魅かれたのかと思ったが、どこぞのケモナーショタガキである。
正義マンに関しても、正義マンを悪にするためにヒーロー活動に大量のスポンサーをつけているイヤラしいやつとして描いているが、イマイチよくわからない。金を稼ぐため、竜と戦うことをパフォーマンスにしているなら、竜を殺すのはなんだかおかしい気がする。しかも城に火をつけるとか、殺意が高すぎる。金のためなのか、自分の正義のためなのか、ハッキリしてほしい。あと最後に出てきた虐待親が正義マンのオリジンなのかと思ったけどどうなんだろうか。主人公にビビりまくってたのはbelleと同じモノを感じ取ったからだろうか。

 

 

思いつき次第徐々に書き足して行きます。